海外ビジネス研修レポート2019

海外ビジネス研修2019同行記
経営学部教授 中村 雅章

今年(2019年)も夏休みの期間を利用して約2週間、オーストラリア、トゥーンバ(Toowoomba)の南クイーンズランド大学(University of Southern Queensland:USQ)で「海外ビジネス研修」が行われました。私は旅行会社の添乗員2名と共にこの研修に同行してきました。この研修は2010年に始まり、今年で10年目になります。毎年、経営学部の新入生のうち約2割が参加するプログラムとなっており、今年の参加者数は65名(男子36名、女子29名)でした。

8月25日、中部国際空港を出発し、シンガポールで深夜便に乗り継ぎ、翌朝オーストラリアのブリスベンへ。そこから専用バスで約1時間半の内陸部にあるトゥーンバに向かいました。トゥーンバは人口16万人の都市でありながら、静かで落ち着いた街並みが広がっていました。公園も多く、教育に熱心な家庭が多いそうです。USQに到着すると、今回の受け入れ責任者であるKateを始めとするスタッフや先生方と、ホームステイファミリーの皆さんが温かく迎えてくれました。学生たちは、最初はやや緊張した面持ちでしたが、すぐに慣れ、ホームステイファミリーと笑顔で対面していました。

大学に到着、やや緊張気味

大学に到着、やや緊張気味

Kate氏と共に

Kate氏と共に

私は到着時のスピーチで、プログラムの準備にお礼を述べるとともに「今年は10年目となる記念のツアーです。」と挨拶しました。すると後日の昼休み、手作りケーキを作ってサプライズのお祝い会をしてくれました。「今日の午前中はオフィスに来ないでね」と言っていたのは、スタッフ総出でケーキ作りに励んでいたからでした!こうした心遣いにとても感激すると同時に、毎年のきめ細やかな対応に改めて感謝した次第です。

10周年お祝いの会

10周年お祝いの会

手作りケーキ

手作りケーキ(2009-となっているのはご愛敬)

学生たちは毎朝9時前にキャンパス内のバス停付近に集合します。通学方法はホームステイファミリーの車での送迎が主ですが、バス、タクシー、徒歩もあります。毎朝全員の顔を見て様子を確認し、午後3時の授業終了時にも全員がちゃんと下校するか見届けます。毎年のことですが、海外が初めてという学生も多く、健康と安全には細心の注意を払っています。もっとも、学生たちは毎日元気で心配することは何もありませんでしたが。

キャンパス内バス停

キャンパス内バス停

毎日の授業は15名程度ずつ4つのクラスに分かれて行います。中京大学の学生は評判が良く、担当を希望する先生が多いそうです。そんな嬉しいお話も伺いました。私は各クラスを回って授業参観させていただき、学生の学びの様子にも目を配りました。そこで気づいたことは、その都度先生方やKateに伝えるようにしました。授業はオーストラリアの英語、文化、ビジネスを実践的に学びます。ペアワークやグループワークをふんだんに取り入れ、学生が能動的に参加する授業となっています。毎日ホームワーク(宿題)もあり、先生方は一人ひとりに丁寧なコメントを返されていました。

授業風景

授業風景

会話練習(ペアワーク)

会話練習(ペアワーク)

学内インタビュー(USQチャレンジ)

学内インタビュー(USQチャレンジ)

授業以外にも様々な学びの場が用意されています。「地域の人とのランチ交流会」、「先住民のアボリジニ文化のワークショップ」、「ボーイング社セミナー」、「民間設立のウェルキャンプ空港見学」、「サッカー親善試合」などです。USQチームとのサッカー親善試合は毎年恒例の行事となっており、入念に作戦を立て準備して試合に臨みます(今年は3対5で惜敗)。

また、学びの一環として、「ローンパインコアラ保護区」、「ゴールドコースト」も訪れました。週末はホームステイファミリーと一緒に過ごします。色々な所や食事に連れて行ってもらったようです。「案外忙しい」と贅沢な感想を漏らす学生もおりました。

地域の人とのランチ交流会

地域の人とのランチ交流会

アボリジニ文化のワークショップ

アボリジニ文化のワークショップ

ボーイング社のセミナー

ボーイング社のセミナー

サッカー親善試合

サッカー親善試合

ローンパインコアラ保護区

ローンパインコアラ保護区

ゴールドコーストツアー

ゴールドコーストツアー

市内のストリートアート鑑賞

市内のストリートアート鑑賞

ホームステイファミリーとの週末

ホームステイファミリーとの週末

2週間の研修の集大成は個人のプレゼンテーションです。プレゼン当日が近づくにつれて練習にも力が入ります。テーマは「有名なオーストラリアや日本の人物/場所(文化やビジネスの視点から)」と「オーストラリアと日本の違い」の2つのジャンルから自由に選びます。各クラスでのプレゼン後、代表者がファイナルプレゼンターとして全員の前でプレゼンを披露します。「留学レベルの内容である」と称賛されたプレゼンもあり、短期間でまとめ上げた学生たちの力を誇らしく思いました。

各クラスでのプレゼンテーション

各クラスでのプレゼンテーション

ファイナルプレゼンターたち

ファイナルプレゼンターたち

出発前、学生たちは「2週間は長いのではないか」「ホームシックになるのではないか」と心配するようですが、プレゼンが終わり、修了証をもらい、フェアウェル(お別れ)パーティーを行う頃には、「もう少し長くいたい」「帰りたくない」と口々にいいます。先生やホームステイファミリーと過ごした時間はいうまでもなく、オーストラリアで見たこと、考えたこと、体験したことは、すべて忘れられない思い出となるでしょう。いつまでも大切にして欲しいと思います。

修了式(Gemma先生クラス)

修了式(Gemma先生クラス)

修了式(Kim先生クラス)

修了式(Kim先生クラス)

修了式(Miranda先生クラス)

修了式(Miranda先生クラス)

修了式(Kelly 先生クラス)

修了式(Kelly 先生クラス)

フェアウエルディナー

フェアウエルディナー

今年も大きなトラブルもなく、無事研修を終え、9月9日に帰国しました。経営学部では学びのスタイルとして、気づき、実践を大切にしています。知識を身につけることは大切ですが、知っているだけでは役に立ちません。知識を使えるものにするためにも、実践し気づきを得る、そこからより深く学ぶことが重要です。この海外ビジネス研修で得た気づきを、ぜひ今後の学生生活に活かしてくれるよう、心から願っています。