グローバル教育・留学

2024年度セメスター留学
鈴木嵯彩さん

留学期間:2024年8月31日~2024年12月15日
留学先:カナダ・カルガリー大学

留学を決意した理由

 私が留学を決意したのは、高校時代の経験が大きなきっかけでした。私の高校生活はちょうどコロナ禍と重なり、部活動や学校行事が思うように実施できず、不完全燃焼のまま終わってしまいました。学業や部活動でも自分の思うようにうまくいかず、努力をしている自分に自信を持てなくなり、次第に気持ちが塞ぎ込んでいったのを覚えています。

 しかし、大学入学後も「このままでは終わりたくない」「嫌いな自分を変えたい」「大学生活こそは充実させたい」という思いが心の奥に残っていました。そんなときに中京大学の留学制度を知り、留学することを決意しました。

留学目的

①英語力の向上

 大学受験後も英語の学習は続けており、TOEICの受験もしていました。しかし、受験勉強や試験対策では、実際に日常生活で使える"生きた英語"を身に付けることはできませんでした。そこで、留学先で提供される「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランス良く学べる環境に魅力を感じました。特に授業を通して、クラスメイトとディスカッションやプレゼンテーションができるような実践的な会話力を高めることを目標にしました。また、速読による読解力や、アカデミックなエッセイを執筆できるライティング力の向上も目指しました。

②自己成長

 留学を通して、自分を変え、自信を持てるようになることを大きな目標としました。私はこれまで、自分の意見を否定されることを恐れ、周囲に合わせてしまう傾向がありました。そこで、相手に流されず、自分の考えをはっきりと伝えられるようになりたいと考えました。また、固定観念にとらわれがちな自分を変え、多角的な視点や柔軟な思考力を養うことも目標にしました。

③異文化理解

 留学先には多くのアクティビティが用意されていたため、積極的に参加し、現地の文化や魅力を体感したいと考えました。また、様々な国籍の留学生と交流することで、多様な価値観や文化に触れ、自分自身の視野を広げたいと思いました。自己成長につながる部分もありますが、固定観念に縛られない考え方ができる視野の広い人になるためには、日本という枠にとらわれず、新しい環境で多くの発見をすることが、自分をより成長させると考えていました。

現地での生活

①学校生活

 私は Language & Culture Course(カナダの政治・文化・歴史を学ぶプログラム)と Semester Course(英語の4技能を実践的に学ぶプログラム)を受講しました。前者では、各政党の政策を調べ、今後の政策提案をチームで発表する授業が特に印象に残っています。英語でディスカッションしながらコミュニケーション力を高めつつ、カナダの政治について主体的に学ぶことができました。後者では、日本の授業では経験できない学びが数多くありました。グループディスカッションや論理的な文章作成、個人・チームでのプレゼンテーションを重ねる中で、実践的な英語力と幅広い知識を身に付けることができました。

②休日の過ごし方

 休日は友人と出かけたり、カルガリー大学主催のアクティビティに参加したりしました。友人とは人気のレストランやカフェに行ったり、キャンモアへ1泊2日の旅行に出かけたりしました。大学のアクティビティでは、バンフやウォータートン、ドラムヘラーなどの観光地を訪れたり、ハロウィンパーティーに参加したりしました。カナダならではの雄大な自然や、ハロウィンやクリスマスといったイベント文化を体験でき、毎日が新鮮で刺激的でした。

③ホームステイ

 私のステイ先はホストマザーとホストグランドマザーの2人暮らしの家庭でした。ホストマザーは仕事で忙しく、一緒に過ごす時間は限られていましたが、一緒にオーロラを見た体験は大切な思い出です。毎日一緒に食卓を囲むことはできなくても、夕食には手作りの美味しい料理を用意してくださり、温かい支えを感じることができました。

大学のアクティビティで訪れたルイース湖

ホストファミリーと一緒に見たオーロラ

アイスホッケーの試合観戦

Graduation Partyで先生と写真撮影

留学成果

①英語力の向上

 帰国後に受験したTOEICでは、渡航前と比較して、100点以上スコアを伸ばすことができました。特にスピーキング力が大きく向上し、日常生活での会話や自分の意見を自然に伝えられるようになりました。その結果、英語での会話や異文化交流がさらに好きになり、積極的に挑戦できる自信がつきました。

②自己成長

 留学先では、高い目標を掲げて努力する学生が多く、彼らの姿に強い刺激を受けました。これまでの私は何事も無理だと諦めてしまい、目標を低く設定してしまうことがありましたが、カナダでの経験を通じて「自分が本当にやりたいことは何か」を考え、行動に移せるようになりました。また、周囲に流されがちだった自分も、意志を持って意見を伝えられるようになり、嫌いだった自分を受け入れ、自信を持てるようになりました。

③異文化理解と新たな関心

 授業や日常生活で、様々な国の留学生と交流する機会がありました。その中で各国の食文化や伝統行事、習慣などを知り、新しい発見が数多くありました。同時に、彼らが日本のどんな部分に興味を持ち、なぜ日本を好意的に見てくれているのかを知り、意外な視点に触れることができました。この経験を通して、カナダだけでなく、他の国や文化にも強い関心を持ち、視野が大きく広がりました。

最後に

 私は英語を学ぶことを目的にカルガリー大学へ留学しましたが、そこで強く感じたのは「英語は単なるコミュニケーションツールにすぎない」ということです。大切なのは、英語を使って何を伝え、どんな経験を積み、どのように自分を成長させるかだと思います。

 私自身、英語力の向上だけでなく、コミュニケーション力やプレゼンスキルが大きく伸び、自分の考え方もより柔軟になりました。世界を知り、固定観念を打ち破ることで、多様な視点を持つことができたのは、大学生活という貴重な時間を留学に充てられたからだと感じています。

 また、この経験は多くの人の支えがあってこそ実現できたものです。留学を後押ししてくれた家族、最後まで真摯にサポートしてくださったグローバル教育センターのスタッフの方々、そしてカルガリー大学で出会った仲間や先生方に心から感謝しています。カナダでできた友達や先生方は、優しく熱心で、一緒に過ごす時間はまるで家族のように温かく、私の留学生活をより豊かなものにしてくれました。

 今後も人との出会いを大切にし、留学で得た経験を糧に、人間力のある大人へと成長していきたいと思います。皆さんも、大学生活で出会った仲間や時間を大切にしながら、様々なことに挑戦してみてください。